ハウスメーカーは、やはり住宅に特化して豊富な実績を積んでおり、そこで得た経験を元に、どんどん仕様やマニュアルも改良されていっているため、施主側は安心感を得ることができます。オリジナル工法を持っているところや、設計に関してのマニュアルを作っているところも多く、設計をする上で融通を利かせにくいという特徴があります。そのため、オリジナリティ溢れる設計や、奇抜な設計を希望している人にとっては、設計事務所の方が適していると言えますが、オーソドックスな間取りや、少しデザイン性にもこだわりたいが、安心感もほしいという人にとっては、ハウスメーカーの方が適していると言えるでしょう。
設計を進めていく際に、迷いや悩みが出てきた際などに相談しても、ハウスメーカーは住宅をたくさん手掛けてきているため、住まいに関する引き出しを多く持っています。そのため、社内のネットワークや過去事例を参考にしながら、迅速な回答と的確なアドバイスが期待できるでしょう。そして、家造りには、単純に家を設計するだけでなく、ローンや手続き、そして建て替え工事の場合は解体工事など、様々なことが紐づいています。それらについてもフォローしてもらえ、スムーズに進めていけるのも、嬉しいポイントと言えます。
ハウスメーカーでは、建築部隊の体制がきちんと整えられており、さまざまな資材の入手ルートに関しても、すでに広い範囲でカバーされています。そのため、工期が短く、あっという間に竣工させることができるのです。一般的な規模の戸建て住宅の場合、着工から3カ月から4ヶ月程度で引渡しさせることができます。工程管理もしっかり行われているため、小学校入学までには引越したいというように期限が決まっている人や、短期間で家造りを済ませてしまいたいという人には向いているでしょう。
構造部材に関しても、工場で事前にカットされているところが多く、ある程度組み立ててから現場に搬入してくる、ユニット工法を採用しているハウスメーカーもあります。そうすることにより、現場で働く職人の腕の良さにとらわれることなく、安定した品質を保つことができます。品質の良さを保った上で、工事現場での工程が少なくて済むように、様々な工夫がされているのです。また、工期が短いということは、建築中に必要な人件費も少なくて済むということに繋がります。建築中は、実際に作業をする職人以外に、時と場合によってはガードマンが必要な時も出てきます。工期を短くすることで、おのずと建築費用も安く抑えることができるのです。